工作「DNA模型」(4)
二重らせん構造にするためには、一方のらせん構造の1段目の底部にある結合孔と、他のらせん構造の対応する結合孔との間隔を、
(9.51-0.7)×10×2÷9.51=18.5(cm)
にします。(なお、試作品ではこの間隔を20cmにしたので、試作品の部品寸法は比例的に大きくなっています。)また、この模型では、実際のDNAには存在する、メジャー・グルーブとマイナー・グルーブを表現できます。メジャー・グルーブとマイナー・グルーブができるのは、要するにらせん構造の位相のズレなので、上に述べた結合孔を、直径18.5cmの円周上で、大円以外に設定すれば、それを表現することができますが、この模型では、変形の余裕が水素結合部分にしかないので、せいぜい1塩基対分の位相差(36度)が表現できる程度です。その場合、メジャー・グルーブとマイナー・グルーブの間隔の差は、3.4cm程度となります。
さて、DNA模型と言うからには、塩基対を表す何らかの表現が必要です。試作品では、各塩基の頭文字を、ポスターカラーで手描きしました。文字に意味があるので、黒一色でも構いませんが、多色の方が親しみやすいので、色分けをしてあります。アデニン(A)は赤、チミン(T)は緑、シトシン(C)は黄、グアニン(G)は青、ついでに、糖(D)は橙、リン酸エステル基(P)は白で表記し、全体をクリア・ニスで仕上げたので、積み木のような柔らかな印象にできあがりました。塩基対の並びに特別なルールはないので、文字の並びは何でも構わない訳ですが、何か、面白い並びはないかと考えて、A,T,G,Cの組み合わせでできる英単語を探して、TACTAGAGACT(つまり、TACT,(T)AG,GAG,ACT)の11文字としてみました。この文字の並びは、mRNAに転写されたコドンとしては、AUGAUCUCUGAとなっていて、開始コドンのAUGで始まり、終止コドンの一つであるUGAで終わる形になっています。塩基対の反対側は、当然、対応から、ATGATCTCTGADとなります。
模型の組立て方は、らせん構造を構成する菱形部品と、塩基(+糖の一部)の部分を構成する長方形部品同士を竹ヒゴ2本で結合しておいて、最初に、台にあけた結合孔に竹ヒゴ(ここだけは、直径3mm×長さ2cm)を挿し込んで、各1段目を結合した後に、水素結合を構成する竹ヒゴを挿し込んで1段目を完成させ、下から順に積み上げていきます。らせん構造から鎖状構造にするには、らせん構造を完成させた後、上から順に水素結合を構成する竹ヒゴを外していけば直鎖的に変形できます。その後、菱形部品を結合している竹ヒゴを外して、全てを分解することも、再組立てすることも可能です。今回は、らせん構造に最小限必要な11段にしましたが、このままでらせん構造1.5回転の16段程度は可能と思われます。
