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2008年1月31日 (木)

電動ヘリコプター(3)

 その頃、たまたま、JAXAの特別展教室があって、「ヘリコプターの飛行原理」がテーマでした。講師の方に試作機を見てもらったところ、回転翼は長い方がよいとのコメントをいただきました。試作機の回転翼は、根元がやや広く、先端に向かって狭くなるデザインでしたが、根元はほとんど推力に寄与しないとのことでした。このデザインは、既製品を真似たもので、幅と長さの比も、それに近くしてありました。

 回転翼の長さは回転直径で30cmでしたが、それには理由がありました。回転翼の推力を測定する装置の紙皿が直径30cmで、その大きさの回転翼でも十分な推力があると思われたからです。

 コメントを受けて、試しに回転翼の長さを回転直径で40cmまで大きくしてみました。これ以上大きいと、回転翼が尾翼に当たってしまう、ぎりぎりの大きさです。翼の形もストレートに変更しました。推力は測れなくなりましたが、試験飛行は上々のできでした。上昇能力も大幅にアップしたうえに、コーニングが効くようになって、姿勢の安定性がずっとよくなりました。

 電動ヘリコプターのデザインが決まったので、次は、部品をどこまで加工・組立てしておくか、の判断です。木材を切ったり、孔を開けたりするのは簡単ですが、工具が全員分はありません。工具を使い回すのは時間がかかり過ぎます。そこで、木材の加工は、事前に済ませておくことにしました。また、当日、接着剤は時間の都合で使えないので、耐久性には問題がありますが、両面テープを使用することにしました。結局、当日の工作は、ギヤと回転翼、尾翼、脚、それに組立・調整としました。試作では1時間程度で済んだ作業です。甘く見ていました。

 さて、実験教室の当日、小学校高学年から中学生までが参加して、倍率は5倍の難関でした。ところが、始まってみると大変なことになったのです。

Class

 まず、平ギヤを黄銅の軸に通すことができません。きつくて入らないので軸を曲げてしまったり、平ギヤを割ったりする参加者が続出しました。試作の段階では、平ギヤと軸の寸法差が、たまたまぴったりになっていたので、寸法差を気に止めず、使用品での確認をしていませんでした。使用品では寸法差がきつめになっていたのです。軸の予備品を使い切ってしまい、軸材を買いに行って追加する騒ぎになってしまったのです。

 次は回転翼でした。単翼2枚分が1枚の板になっていて、それをカッターできっかり半分に切る工作でしたが、まっすぐ切れない子が続出しました。回転翼は、2枚がまったく同じ形状でないと能力が激減します。作り直しです。

 脚もさんざんでした。ピアノ線を寸法通りに曲げるだけと思っていたのが、意外にも直角に曲げられないのです。経験がないので、ペンチでどの辺を支えるのかや力の入れ加減など、全てが分からず、力もないので、寸法通りにはいきません。極め付きは、竹ヒゴに通すところで、孔が予め開けてあるため、ピアノ線の寸法違いを無理して通すと、竹が割れてしまいます。

 結局、1時間半の予定が3時間かかっても、組立完了がやっとで、試験飛行までは行きませんでした。回転翼を回転させて、その勢いとコーニングの具合を見て、OKを出したのが数人という有様でした。でも、アンケートの結果は上々だったのです。難しかったけど、面白かった、というのが大半でした。子どもたちのやる気には負けました。案外、今の子どもたちも、実は、手ごたえのあるものを望んでいるのかもしれません。

 科学館の閉館で最後の回になった実験教室のタイトルは、「電気で動くヘリコプターⅡ」でした。初回の経験を生かして、大幅に改良した自信作です。次回からは、その「電気で動くヘリコプターⅡ」の作り方のコツです。

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